2011年1月24日月曜日

『シベリア抑留-未完の悲劇』

 
ウズベキスタンに行こう()と言ってはみたが、チケットがとれるかとれないか、今のところ微妙。
もちろん、金があれば金を積んで、どんなルートでも通って行くのだろうが、時間も予算も限られた中で、飛行機のチケットが取れないとなると、そこから先へは進まない。
また、1人で行こうとすると、旅行会社に「お1人様参加費用」とかいうバカ高い金を支払わなければならなくなる。「お1人様参加費用」を払わないために、とりあえず飛行機のチケットだけ取って、とりあえず現地に行ってしまう、としてもチケットが取れなければ、はじまらない。
もしかしたら近日、かの地を訪れることは叶わないかもしれないが、しかしいくつか本を読んで、すでに「行ってきたつもり」になれているかもしれない。また、抑留者の遺族ですらソ連崩壊後まで、かの地を目ざすことはできなかったと思えば、安易に訪れてしまうのも、もしかしたら違うかもしれないし。
まぁ、なるようになるとして。


「信仰とは、祖先から受けた魂を受け継いでいくことだ」

以前、チェチェンのハッサン・バイエフ医師()が仰っていた言葉を、私は「そのとおりだ」と思った。

私のブログは一貫して赤貧主婦ブログなのだが、その割に戦争の話が多いかもしれない()。それは、「祖先から受け継いだ魂を受け継いでいく」ために、歴史を語る必要があると感じているからなのだ。できるだけ本を読んだりして、普段から話のネタになるように、ブログにストックするようにしている。
私が先のBBCの間違ったジョーク()に激怒するのは、受け継いだ魂の「怒り」の方の琴線というか「逆鱗」に触れてしまうものに対して、怒るところで怒ることは、これはフツウのことであると、そういう事情である。

戦争体験の無い戦後生まれだけれど、どこまで戦争体験者の思いを語り繋ぐことができるか。「真実を、事実を知りたい、語り継ぎたい、知って欲しい」。そんな抑留者や遺族の願いを、次の時代を生きる私は、一応、思いのままに実践ようとしている。

生き残ったことを「原罪」のように背負う人。吊し上げにあった屈辱を泣きながら語る人。帰国から半世紀以上が過ぎた今もなお、彼らは胸の中に重く暗い塊を抱えている。

この『シベリア抑留―未完の悲劇 (岩波新書)』の中で、ある抑留者の高齢の遺族が、自分が(現地に)行けなくなったら、夫の死を記憶する碑はどうなるのか。と心配していた。
だからたとえ私のような者でも、ユーラシア各地に点在する抑留者の眠る地に、真摯な気持ちで訪れることは、とても意味のあることだと思う。

「生きて帰った人たちが、慰霊訪問しますね。夏に。一番いい季節に行って、シベリアの何が分かるんですか。生還した戦友に『シベリアでは何をしてた?』と聞くと、食料係とか医務室とか通訳などですよ。うまく立ち回って、重労働を逃れた。誰かが代わりにその仕事をさせられたんです」

「そうだったとしても、生き残るために、仕方なかったのでは」

「我々生き残った者はね、加害者なんですよ」

「終戦後この60年間、私の頭の中には亡くなった私の初年兵時代の同僚とそれから何百人という日本人の補充兵、少年兵、一番弱い立場の人がどんどん死んだことに関しまして、私はもうこれは一生忘れないし、私のまぶたにはまだそれが残っております。…」

「私たちの抑留がなぜあったか、責任をはっきりさせていただきたいということを切にお願いしておきます。私たちの人生はわずかです。あの暗黒の青春時代の一時の意義をせめて死ぬまでに確かめておきたい。…」

ソ連は日本兵士のシベリア抑留計画を進めていた。そこへ日本側から労働力の提供の申し出があった。両者の意向があいまって、シベリア抑留につながった。…

敗戦後、日本政府や陸軍首脳がソ連に主張し確認しなければならなかったのは、国際法が定める捕虜の権利であり、ソ連側の義務であった。だが政府と軍は全く逆のことを考え、ソ連に兵士を差し出す旨を申し出たという。…

日本の軍隊では、捕虜になることは恥辱として教えられた。捕虜となった場合、国際法で認められている権利について、兵士が教育されることもなかった。そしてこの捕虜を軽んずる風潮は、戦後の救済措置にも投影しているようにもみえる。…

被抑留者を「解放」したソ連に感謝しろ、というのは「誘拐犯が人質を帰してくれたから感謝しろ」というに等しい。1954年当時、抑留のことに言及せずに、社会主義の優位性をたたえたり、ソ連と「協調」や「交流」の可能性を説く識者も多かった。…

ソ連は非人道的な抑留の実態を隠しており、新聞などマスコミもそれを正確に伝えることはできなかった。しかし少なくとも、多くの日本人が長期間抑留されていることは日本でも知られていた。それでもなお、アカデミズム識者の批判はソ連に向かわなかった。…

 

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