2011年2月19日土曜日

これが真のCOOL JAPAN

 
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前日の夜、強い北風が吹いて、辿り着けるかどうか不安だったが、幸いにも晴天に恵まれた。
インテックス大阪で開催されたミシンショーに行ってきた。アパレルの工場で使われるマニアックな最先端の機械等の展示会である。

刺繍ができる工業用ミシンが140万円ぐらい、革が縫えるミシンが50万円くらい。しかしこれ、50万円の投資で、後は革の縫製で生業できるとすると、そう高い買い物ではない。
また財布など、革製品の四隅をいせ込むためのマニアックな機械が130万円くらい。伺うと、このいせ込みは腕のいい職人でないと難しい工程だそうな。とすると、高いようで、この機械を使ってたくさん製品を作っていくならば、腕のいい職人一人を雇うよりも破格のようにも思う。
他プリント加工、検品用、プレス等々、色々な役目の機械を見た。

近頃は「無縫製」のミシンというのもあるようで、要するに針と糸を使わずに熱を加えて布と布をくっつける機械なのだが、これがあると、工程で折れた針が製品に混入している心配が無いから、検品の時間が省けるのだろう。しかし伺うと、この機械は化繊と相性が良いので、スポーツウェアのメーカーなどが主なお得意先だそうな。

とはいえ、針を作っている会社のブースもあり、あのちっぽけな針の精度の如何で、製品の仕上がりもタイムロスも違ってくると思えば、たかが針、なわけがないのだ。

アパレルCADの主なメーカーは国内に3つほどなのだそうだが、その中のひとつのアパレルCADの操作を実演していただいた。
インストラクターの方はきちんとパターンの勉強をされており、どうりで身頃を描く速度が速すぎる。伺うと、アパレルCADは、パターンの知識とパソコンの操作ができれば、そう難しくはないだろう、と。
私にもできそうな気がする。ただ、パタンナーは「服が好き」()な人の方が望ましいのだろう。

会場の中央は東レ、島精機、JUKI、旭化成、ブラザー…と、名だたる大手はさすがに広くブースを陣取って、華やかなカンジがした。
旭化成と提携して自動裁断機を作っているYIN JAPANの、柄あわせをして裁断するショーがはじまり、一部始終を間近で見学させていただいた。
あの面倒臭い柄あわせまで、今では既に裁断機がやってくれるのだ。しかも布に傷があれば、その部分をあらかじめチェックしておくと、そこを避けて裁断してくれる。
機械賢いな。技術って凄いもんだな、と呆気にとられて感動したものである。今私が学校で、いちいち手と目を使って全てを行っていることが陳腐でアホらしいことなのかと。
そしてこの裁断機のお値段をちらっとお伺いすると、一千万円を切る破格。そして「MADE IN JAPAN」が更なる売り文句。

他のスモッキングができる特殊ミシンを展示している会社の方から、後でお伺いした話によると、やはりどうやら「MADE IN JAPAN」の信頼度は、今尚他所の国でもけっこうなものなのだそうな。だから先のベビーロック()だけでなく、製品の国内製造にこだわる会社もあったようで。いや、これこそが真のCOOL JAPANなんだわ、と思う。

そうしてあるブースで、1㍉の端ミシンを手軽にスイスイ実演しておられる様を見て、「こんなことがこんなに簡単に…」と感嘆していると、そのブースの社長さんから、色々とお話をお伺いすることになった。
そうして話も弾んで、「うちの会社で働きますか?」と、思わぬところで就職内定が決まりそうだったのだが、非常に悔しいことに通勤ができなかった。
もし、東京、千葉あたりに支社があればよかったのだが、残念ながら。

「縫製の勉強をしている」と自己紹介をすると、その社長さんは、元々縫製をしておられたそうだが、「縫製がわかるからミシンを作ることができた」と仰る。そして、「パターンを引いて、裁断して、縫って、この工程が手作業で理解できていないと、この仕事はダメなんだ」と。確かに。観念だけの頭でっかちは、本来大事な、微細なニュアンスを取り逃がすものだと、私も深く共感。

要するに、根っこを知らないとダメだということ。キレイな花を咲かせるのに、根っこを切ったり腐らせたりしていたのでは、花を咲かせることはできない、と。

是非とも学校で、先生に伝えてあげたいお言葉だった。
というのも、うちの学校の先生は時折、自分の知っている知識や技術の陳腐化を嘆かれることがある。全て手作業なのだが、しかし実は先生から私が学んでいることは、陳腐でも何でもなく、基礎中の基礎だから、本来役に立つもののはずなのだ。

しかし今、多くの会社が根っこを切ったり腐らせたりしている状態だと、社長さんと私は、深く頷きあった。
 

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